渋谷・道玄坂。昼夜を問わず人波が絶えないこの街に、本社を構える企業があります。株式会社ECODA。その代表取締役を務めるのが、平間一也氏です。設立は2022年8月。まだ若い会社ながら、太陽光発電や蓄電池を軸とした電力コンサルティング事業で急速に存在感を高めてきました。
▼業界の歪みを正す「正しい情報の伝道師」
創業からわずかな期間で売上を大きく伸ばし、施工実績も右肩上がり。勢いのあるベンチャー、と一言で片づけることもできるでしょう。ただ、平間氏の話に耳を傾けると、単なる拡大志向だけではないことが見えてきます。出発点にあるのは、「正しい情報が届いていない」という問題意識。そこに尽きます。
住宅設備や保険、不動産。専門性が高い分野では、知識の差がそのまま支払額の差につながることが少なくありません。知らないまま契約し、後から後悔する。そうした例を数多く見てきたと平間氏は語ります。生涯で数百万円、あるいは一千万円規模の差が生まれる現実。情報の非対称性という壁です。
太陽光発電や蓄電池も例外ではありません。初期費用は決して安くない。だからこそ、冷静な判断材料が必要になります。平間氏は、電気料金の上昇や災害時の停電リスクを踏まえ、導入効果を具体的な数字で示すことを徹底してきました。補助金を活用した場合の回収年数。導入した場合としなかった場合の長期的な差額。感覚論ではなく、根拠のある試算です。
「自分たちはパネルを売っているわけではない」。そう強調します。目指しているのは、顧客の家計と暮らしを守る電力コンサルタントの集団。肩書きより中身。売って終わりではなく、長い時間をともに歩む姿勢です。
▼「令和型」組織が実現する、効率と誠実の共存
組織運営にも特徴があります。かつての設備業界に見られた、根性論や長時間労働中心の体質とは距離を置きます。打ち合わせはオンラインが基本。営業データや進捗は数値で管理し、改善点を洗い出す。合理的な運営です。無駄を削ぎ落とすことで、社員が顧客対応に集中できる環境を整えました。
営業手法も独自色が強い。電話営業や飛び込み訪問は行いません。SNS広告やウェブマーケティングを通じ、関心を持った人からの問い合わせに応じる反響型に特化しています。押す営業ではなく、選ばれる営業。月間数千件規模の問い合わせが寄せられる体制を築いた背景には、戦略的な情報発信があります。
こうした仕組みは、社員の働き方にも影響を与えています。強引な契約を迫る必要がない。納得した顧客と向き合うからこそ、長期的な信頼関係が築けるという考え方です。結果として、顧客満足度の向上にもつながっているといいます。
▼「会社は人である」と説く、平間流の人事哲学
人材育成についての考えも明確です。「会社は人で決まる」。平間氏は繰り返しそう語ります。年功序列ではなく、成果を重視する評価制度を導入。若手であっても実績を出せば大きな報酬を得られる仕組みを整えました。入社間もない社員が高収入を実現する例もあるとのこと。挑戦する者に門戸を開く環境です。
興味深いのは、社員の将来に対するスタンスです。自社に一生勤め続けることを前提とはしない。独立や転職も視野に入れ、どこでも通用する力を身につけてほしいと背中を押します。成長の場としての会社。通過点であっても構わないという発想には、経営者としての度量がにじみます。
▼実績が物語る、リーダーとしての実行力
実績も着実に積み上がっています。創業から短期間で施工件数を大きく伸ばし、補助金申請数でも上位を狙う位置にまで到達。蓄電池メーカー大手から販売実績に対する評価を受けたこともありました。数字が語る説得力。理想論だけでは到達できない領域です。
一方で、平間氏が最も喜びを感じる瞬間は、設置後の利用者から寄せられる声だといいます。電気代が下がったという報告。停電時にも安心できたという体験談。売上高の裏側にある一件一件の暮らし。そこに目を向ける姿勢が印象的です。
▼導入前の「誠実な対話」へのこだわり
導入前の対話にも時間をかけます。メリットだけを並べることはしない。屋根の形状や周辺環境によっては十分な効果が見込めない場合もある。そうした現実も率直に伝えます。無料シミュレーションと現地調査の精度を高める理由は、誤解を生まないため。大きな投資だからこそ、曖昧さを残さない説明が求められます。
製品選定は中立的な立場を保ちます。特定メーカーに縛られず、複数の大手ブランドから最適な機種を提案。価格、性能、保証内容を比較しながら選択肢を示します。利用者にとっての納得感。ここを重視します。
▼未来を創る、一歩先を行くIT戦略
IT活用にも積極的です。広告運用や顧客管理、データ分析を内製化し、余分なコストを抑制。その分を価格やサポート体制に還元する構図を描きます。エネルギー業界の近代化というテーマ。効率と誠実さの両立を掲げています。
脱炭素社会の実現が叫ばれるなか、再生可能エネルギーの普及は待ったなしの課題です。とはいえ、理想だけでは家庭は動きません。家計にとって意味があるかどうか。そこが判断基準になります。平間氏は市場データや利用者の声を分析し、現実的な提案を重ねてきました。
▼まとめ
彼が描く未来像は壮大です。全国へ拠点を広げ、より多くの家庭に選択肢を提示すること。売上目標として掲げる数字もあります。ただ、その根底にあるのは、エネルギー不安の少ない社会をつくりたいという思い。理詰めの戦略家でありながら、感情の温度を失わない経営者です。
道玄坂のオフィスから発信される一つ一つの提案。その積み重ねが、家庭の電気代や安心感を左右します。大きな決断を前に迷う人にとって、必要なのは押しの強さではありません。冷静な情報と、誠実な対話。
平間一也氏の挑戦は続きます。若い企業ゆえの柔軟さを武器に、業界の慣習へ問いを投げかける日々。エネルギーの選び方を変えることは、暮らし方を見直すことでもあります。変革の入口に立つ経営者。その視線は、すでに次の時代を見据えています。
